朝のニュースって、本来は「今日も一日がんばろう」って気持ちになるはずの時間帯。
なのに、テレビをつけると飛び込んでくるのは、暗い事件、理不尽な政治、戦争の話。
特に最近は、どの話題も複雑で、正しさがわかりにくい。
しかも、自分ではどうすることもできない問題ばかり。
ただ見て、ただ聞いて、心にモヤモヤだけが残って・・・。
それを抱えたまま家事をしたり、仕事をしたり、学校へ行ったり
気がつけば、頭の中でずっとニュースの映像や言葉がぐるぐる回ってる…。
「何のために見たのだろう?」
「なんか疲れたな…」
そんなふうに感じたことはありませんか?
なぜか心がざわつく…ニュースを見るたびに疲れる理由
朝からニュースを見て、なんとなく気分が沈んだり、言いようのないモヤモヤが残ったりしたことはありませんか?
ただ情報を受け取っただけのはずなのに、心にざわつきが広がって、一日が重く感じてしまう。
実はその感覚には、ちゃんとした理由があります。
ニュースの多くは『ネガティブバイアス』で作られている
メディアは「見てもらうこと」が目的やから、人の心を刺激するような内容を優先して報道する傾向があります。
特に朝の番組は、視聴率を意識して、強い感情を引き出すニュースがピックアップされがちです。
怒り、不安、恐怖、悲しみ。
そんなネガティブな感情に触れることが、朝いちばんに脳に刻まれてしまう。
すると、私たちの脳と体は『何か悪いことが起きるかもしれない』と、無意識に戦闘モードに入ってしまうのです。
自分とは違う意見を聞かされ続けるストレス
「この人、なんか上から目線だなぁ…」
「その意見、ちょっとズレてない?」
「私の気持ちは誰にも拾ってえない…」
そんなふうに、テレビのコメンテーターの発言がしんどく感じた経験って、けっこう多いと思います。
LINEなどで視聴者が意見を送れる仕組みがある番組もありますが、採用されるのは無難で都合のいいものが多くて、自分の声は届かないまま。
「じゃあ私の感じてることって、そんなにおかしいんかな?」
「ここでも、声を上げる意味がないのだな…」
そんなふうに、心がどんどん孤独になってしまいます。
「何もできないのに、ただ見るだけ」というもどかしさ
政治や国際問題、社会事件。
どれも大事なテーマだけど、見ていて「これ、私に何ができるの?」と無力さを感じることも多いですよね。
心だけがざわついて、現実は何も変わらない。
この無力感が、静かに私たちの心をすり減らしていくのです。
もしかしてあなたもニュース疲れ?チェックしてみよう
情報に触れて疲れるのは、特別なことではありません。
けれど、自分が“ニュースに疲れている”ということに気づいていない人も多いのです。
ここでは、どんなサインがあると「ニュース疲れ」なのか、そしてそれがなぜ起こるのかを整理してみましょう。
心の変化に気づくだけでも、少しずつ軽くなっていけるはずです。
こんな症状はありませんか?
「なんだか最近、気分が落ち込みやすい」
「SNSやネットニュースを見ているだけで疲れる」
「誰かの意見にイライラしたり、悲しくなったりすることが増えた」
こうした変化があったとしたら、それはニュース疲れのサインかもしれません。
ニュースを通して社会の出来事に触れ続けることで、知らず知らずのうちに心は緊張状態にさらされています。
不安、怒り、悲しみ…。
それらを毎日浴び続けていたら、心が疲れるのは当たり前です。
敏感な人ほど共感疲れを起こしやすい
人の気持ちに寄り添いやすい人ほど、ニュースで報道される誰かの悲しみや怒りを、自分のことのように感じてしまう傾向があります。
「この人、どれだけ辛かったんだろう…」
「もし自分の家族だったらどうしよう…」
そんなふうに想像力がある人は、ニュースの中に登場する人々の感情を共に受け取ることができるのです。
でも、その「共感」は時に疲れとして積み重なっていきます。
他人の痛みを感じることができるのは素晴らしい力ですが、自分の心を守ることも忘れてはいけません。
「知っていること」が安心ではなく不安につながるとき
情報に敏感になりすぎると、「知らなきゃいけない」という義務感に追われるようになります。
知らないことが怖くなり、どんどん記事を読み漁ってしまう。
でも、読むたびに不安が増して、気づけば心がどこか苦しい。
知ることが安心につながるどころか、知らないと不安、知っても不安という、出口のない思考のループに巻き込まれてしまうのです。
ニュースから距離を置くことは逃げじゃない、自分を守るための選択
「見ないようにしよう」と思っても、「知らないと恥ずかしいかも」「置いていかれる気がする」と不安になってしまう。
そんな気持ち、ありませんか?
情報から距離を置こうとすると、無関心や無責任と思われそうでためらってしまう人も多いでしょう。
でも、本当に大切なのは「知っていること」よりも「どう在るか」ということです。
「知ること=正しい」と思い込んでいませんか?
私たちは小さい頃から、「ニュースを見て、世の中のことを知っておくことは大切」と教えられてきました。
それ自体は決して間違っていません。
けれど、「すべてを知っていないといけない」「知らないと無責任」とまで思い込んでしまうと、情報に追い立てられるような感覚に陥ってしまいます。
情報を得ることが目的になって、本来の自分の気持ちや生活が置き去りになっていないでしょうか。
自分が平和でいることが、周りへの優しさにつながる
怒りや不安を抱えたままでは、家族や周りの人にもその感情がにじみ出てしまいます。
ちょっとした一言にイライラしたり、子どもやパートナーに強くあたってしまったり…。
でも、自分の心が穏やかだと、不思議と周りの空気もやさしくなります。
「ニュースから距離を置く」という行動は、自分の心を守るだけでなく、大切な人たち優しい気持ち接することができる一歩でもあるのです。
心にバリアを張るという選択
ニュースを見る・見ない、という二択ではなく、
「どこまで自分の中に入れるか」を選ぶ意識も大切です。
たとえば…
-
「この話題は今日は見ない」と決める
-
「見るけど、冷静に事実だけ受け取る」
-
「自分が元気なときだけチェックする」
こうして、自分なりの心のバリアを持つことで、情報に飲み込まれにくくなっていきます。
逃げるのではなく、自分の軸を保つために距離を取る。
この選択は決して間違っていません。
しんどくなったときの『情報デトックス術』
ニュースに触れたあと、気分が沈んだり、頭の中がぐるぐるして止まらなくなったり…。
そんなときに必要なのは「頑張ること」ではなく、「一度、心を休ませてあげること」。
ここでは、心が疲れたときに試してみたい情報デトックスの具体的な方法をご紹介します。
思っている以上に心が軽くなるかもしれません。
スマホの通知を見直して、余計な情報の流れを止める
私たちは無意識のうちに、スマホの通知から大量のニュースやSNSの更新を受け取っています。
気づかないうちに、心はずっと緊張状態のまま。
まずはスマホの設定を見直して、以下のような通知をオフにしてみましょう。
-
ニュースアプリの速報通知
-
SNSの「おすすめ」や「話題の投稿」通知
-
自動で流れてくる「トレンド」情報
自分から取りにいく情報と、勝手に飛び込んでくる情報はまったく別物。
自分の心にとって不要なものは、シャットアウト!
希望をくれる発信に目を向けてみる
暗いニュースばかりに触れていると、「この世界はもうダメかもしれない」と感じてしまうこともあるかもしれません。
そんなときは、あえて希望や温かさを発信している人の言葉に触れてみてください。
-
美しい自然の写真をシェアしている人
-
誰かの感謝や優しさを綴っている投稿
-
前向きなメッセージを届けている言葉
「こんなふうに生きている人もいるんだ」
「世界はまだ、優しさで満ちている」
そんなふうに、少しずつ視点が切り替わっていくはずです。
自然の音・呼吸・『今ここ』に戻る時間を作る
情報の波に飲まれそうなときこそ、大切なのは今ここに戻ること。
自然の音を聴いたりするだけで、脳と心がスッと静まっていきます。
-
窓を開けて風の音を感じる
-
小さな植物を眺める
-
深くゆっくり呼吸をする
-
アロマやお香の香りで五感を整える
そうした「心の静寂」を感じる時間が、心の中のざわつきを鎮めてくれます。
わたしの世界」を大切に生きよう
ニュースやSNSで、たくさんの出来事、意見、価値観に触れていると、
「自分って何を大切にしたいんだっけ?」と、見失いそうになることがあります。
そんなときこそ立ち返りたいのが、「わたしにとっての本当の世界」。
ここでは、自分らしく、安心して暮らしていくための心のあり方を見つめ直してみましょう。
外の世界に巻き込まれすぎなくていい
世の中で何が起きているのかを知ることは大切だけれど、そのすべてを自分の心に取り込む必要はありません。
誰かの声が大きく聞こえたとき、違う意見に囲まれて不安になったとき、まずは深呼吸して、「自分はどう感じているか」に意識を戻してみてください。
あなたの感覚は、他の誰かと比べて劣っているわけではありません。
違うことが自然で、違うからこそ大切にしたいわたしだけの感覚があるのです。
小さな幸せに気づける心を取り戻す
今日の空が少しきれいだったこと、子どもの笑顔に癒されたこと、あたたかいお茶を飲んでほっとしたこと。
そんな「日常のささやかな幸せ」に心を向けることは、どんなニュースよりも心を癒し、力を与えてくれます。
大きな問題に心を向け続けるよりも、まずは自分の世界の中にある幸せを感じること。
そこから始まっていきます。
本当に大切なものは、いつも身近にある
心が疲れてしまうときは、つい「どこか遠くにある正しさ」や「完璧な情報」に頼りたくなります。
でも、私たちが本当に守りたいもの、大切にしたいものは、今目の前にある暮らしの中にあります。
大切な人との会話、目の前のごはん、今日という一日。
それらを見つめて、「私は私の世界を大切に生きていい」と思えたとき、ニュースに心を振り回されなくなります。
【まとめ】
情報があふれるこの時代に、「ニュースに疲れる」という感覚を持つのは、決しておかしなことではありません。
むしろそれは、あなたの心が繊細で、やさしさに満ちている証拠です。
誰かの痛みを自分ごとのように感じたり、違う意見に戸惑ったり。
無力感や怒りを抱えてしまったり。
そんなふうに揺れる心は、あなたが真剣にこの世界を大切に思っているからこそ起こる反応なのです。
でも、どんなに大きな問題も、どんなに遠いニュースも、私たちがすぐに変えられるわけではありません。
だからこそ、まずは「自分の心を守る」という選択をしていい。
情報を遮断することは逃げではありません。
必要なときにだけニュースを選んで、疲れたときはそっと離れて、そしてまた、自分の世界を大切に生きる。
そんな毎日を、選んでください。